今週末に41歳を迎える。少し前まで40過ぎの中年男性というものは全く異次元の存在だと感じていた。平たく言えば、ほんまのおっさんというか、おやじというか・・・。笑いの感覚、趣味、体格などが明らかに異なる人たちのような気がしていた。しかしいつの間にか私もそんな年齢に達した。月日の流れる速さがどんどん加速しているように思える。寄る年の波には勝てないが、かっこよく年はとりたいものだ。
まずは体を鍛えることにした。
私は10年ほど400ccのバイクに乗ってきた。都内で生活するにはバイクは本当に便利である。車と同じ速度が出せて、渋滞は関係ない。どこに行くのも時間が読める。そんなことで長い間バイクを愛用してきたのだが、これを先日売り払い無印良品で自転車を買った。自転車などまともに乗るのは高校生の時以来である。私の家の周りには結構アップダウンがあって自転車をこぐのが結構しんどい。しかし自転車は理想的な有酸素運動であるし、下半身の大きな筋肉を鍛えることは大切である。筋肉の量が多ければ基礎代謝が上がり、脂肪を燃やしやすい体になる。よって脂肪がつきにくい。最近話題のメタボリックシンドロームなどとは無縁な体でありたいものである。
しかし体よりも大切なことは心の持ち方なのかもしれない。
著明なキャスターである患者さんが来院されている。70歳をとっくに過ぎておられるのにその体の若さには本当に驚かされる。肌のつや、筋肉の厚さ、姿勢等どれをとっても50代前半である。体は至って健康で、体調管理や腰や首など少し疲れた部分の張りを解消することを目的に来院されている。治療の間に話をしていても、話題が豊富で味わい深く、年齢の垣根がなく引き込まれていく感じがする。
体のストレッチをしながら私は端的に尋ねてみた。「全く社交辞令ではなく、驚くような体の若さですが、若さの秘訣はなんかありますか?」すると患者さん曰く「若さの秘訣ですか・・・。これといったことはしていませんね。ただ私の場合、秘訣のようなものがあるとすれば、それは物凄い緊張とその後に徹底的に心を休めることを繰り返してきたということでしょうか。今も昔も全く変わらず、仕事の時にはすごく緊張するんですよ。しかしその仕事が終わったら、ぱーと楽しむんですよ。遊びに行ったり、酒を呑んだり、旅行をしたり・・。そんなことを続けて今日に至ったということですかね」穏やかにそんなことをおっしゃる患者さんに私はすごく魅力を感じた。必要なときに100%の力を振り絞って頑張る人だから、束の間の休息を心の底から楽しめるのだろう。そして一気に充電をして、また次の仕事に挑んでいくのだろう。長い間の仕事と休息の回転が雪だるま式にこの患者さんの人生を楽しく、元気にそして味わい深いものにしているように感じる。
忙しい日々が続くが、メリハリの利いた濃い時間を過ごしながら、元気で味わいのある中年男性になっていきたいものだ。