ハワイに行った。この島の自然と気候が醸す雰囲気は素晴らしく、とても幸せな気分になる。
今回の渡航の目的はハワイ大学を訪問して、フットボールの戦術を学ぶことでにあった。ハワイ大学は最近先進的な攻撃スタイルで大躍進を遂げている。このチームのコーチに教えを乞いに行った。コーチのオフィスにお邪魔すると忙しいのにもかかわらず、連日時間を全く気にせず、とことんお付き合い下さった。ある程度のコネクションを頼って訪問したとはいえ、極東の地からやってきた見ず知らずの私にとても丁寧に指導下さり、本当にありがたい方であった。多くのことを学んだ実りの多い滞在であった。
夜の空いた時間にリクルート時代の先輩を訪ねた。
彼女は現在、ハワイでウェディングのプロデュース会社の社長をしている。一般の人が入れない米軍基地内の、オアフ島で一番美しいとされるビーチで挙式を挙げるユニークな企画や、情報誌やwebを使ったリクルートOBらしい営業戦略で会社は順著に成長している。彼女はリクルート時代から辣腕営業マンとしてその名を馳せていた。さまざまな事業部で数々の功績を残した後、会社を退社して生活、仕事の拠点をホノルルに移した。そして本当に楽しそうに日々過ごしている。
一緒に呑んでいると、先輩はこんな話をしていた。
「私ね、小さいときから水平線の見渡せる家に住みたいと思っててん。子供の頃、自分の部屋の窓に大きく砂浜と水平線の風景を描いたりしてね。それが叶って今そんな部屋に住んでてね。朝日が昇るのを見ながらヨガをしてると凄く気持ちよくてね。季節によって太陽の高度が変わるのを理科で習ったけど、本当に水平線から太陽が昇ってくる場所と軌道が少しずつ変わっていくのがわかんねん・・・」彼女の生き生きとした話しぶりから、ハワイでの生活を心底満喫している様子が伝わってきた。そして幼い頃の小さな夢を叶えたいい話でもあった。
楽しい人生を過ごす上で、何をするか、誰と過ごすかと並んで、どこで暮らすかというのは大きな要素に思える。私の友人でもジャマイカ、タイやカリフォルニアに移住したり、日本の中でも自然の豊かな地方に移り住む人が結構いる。穏やかな風土、気候などが人の心に及ぼす影響は大きいだろう。そのことを重視して生き方を決めていくことには十分共感できる。私はこれまで流れに任せて都会での生活を続けてきたが、どこかのタイミングで「どこに住むか」ということをじっくり考えてみたいと思った。